こんにちはtakejuneです。2021年5月にサービス公開記念のブログを書いてから早いもので1年と少しが経ちました。先週(2022年7月13日)にはスマートバンク社としてシリーズAで20億円の資金調達を発表し、ひとつステップアップすることができました。
昨日には代表のshotaもブログをアップしていましたが、カジュアル面談などでよく聞かれる内容がまとまっているのでこちらもぜひチェックしてみてください。
私からは、めまぐるしく駆け抜けたこの期間に、B/43(ビーヨンサン)のチームが「なにを考えて、なにを作ってきたのか」を振り返り、大きな飛躍を目指して「これからなにを作るのか?」を改めて語りたいと思います。
・B/43というプロダクト、スマートバンクという会社に興味がある人
・C向けサービス、FIntechプロダクトの開発・グロースに興味がある人
・プロダクトマネジメント、サービスデザイン時の思考に興味がある人
そうでもない人も、楽しんでもらえたら嬉しいです😊
📈 どれくらい使われてるの?
2021年4月末にサービスを公開してから1年間で、月間の取引金額が数億円の規模にまで到達しました🤘
リリース前は「使ってもらえるのかな?」という不安もありましたが、毎月右肩上がりに積み上がっていく数字を見て、いわゆるPMF(Product Market Fit)は達成できたなと思えています。
来年にはこの数倍になる計画なので緊張感もありますが、なんとか実現していきたいです。
🕕 なにをやってきたの?
2021年はクレイジーな速さでアップデートを重ねてきました。サービス初期のあるあるですが「ある程度ここまでは必要だよね」といった機能セットが見えていたので、それを揃えるだけでもやることが無数にありました。改めて見ても「よくぞここまで作ったな…」と思います。チームのみんなおつかれ様。
💎「価値の源泉」となる体験の発見
いまではB/43の代名詞になった「ペアカード」(ペア口座から名称変更)の機能は、リリースからたった3ヶ月後の2021年7月に追加されました。これはプロダクトラインナップの追加としてはかなり早い部類だと思いますが、振り返ってみると事業の転機を生み出すナイスジャッジでした。
開発中のユーザーインタビューでも感じていたけれど、家計管理の必然性が生じやすいのは「誰かと暮らし始めたとき」なんですよね。ユーザーさんからの定性的・定量的なフィードバックからも「これまでに解決されてこなかったイシュー」を射抜いたと確信しています。
僕はプロダクトをつくるときに「無から有を生み出す価値の源泉」を見つけることを意識していて「小さな魔法」と呼んでいます。それは、人々の生活に着目して実在する課題を見つけ、そこにある構造的問題を解消することではじめて生まれるものだと考えているのですが、今回のケースではこれまで「利用者:口座:カード」が「1:1:1」で結びついてきた構造を「n:n:n」に変化させることでそれが生まれたように思います。
上記は実際のユーザーさんのツイートなんですが、口座をシェアすることで生まれている新たな価値をビシバシ感じませんか?
パートナーが決済したときのプッシュ通知で「そろそろ帰ってくるな」「あれ買ってきてくれるっぽいな」が分かるのも地味に便利なんですよね。こうしたコミュニケーション促進も含めて、ペア口座は「片方に寄っていた家計管理という家事の負担をふたりの間で平等にしていく」という可能性を秘めており、お客様のライフイベントに立ち会うこともできる素敵プロダクトなので、使われ方を眺めているだけでもハッピーになれています。
🌖 ユースケースの多面化への対処
8月に「あとばらいチャージ」という機能を出す前には「家計管理」というプロダクト全体のコンセプトとの整合性について悩んでいました。それはあと払いによって家計管理が破綻してしまうと本末転倒だなと思っていたからです。なので設計に入る前に「B/43の中で提供すべきサービス像」をポエムとして書き、家計管理を目的に使い始めたユーザーさんに対して、誠実に向き合うというチームの共通認識をつくりました。
当初は「家計管理」と「あと払い」という二面性のあるプロダクトになってしまうことを懸念していましたが、結果的に個人向けのサービスはあと払い、ペア向けのサービスは家計管理を目的としたユーザーが成長を牽引してくれています。なので、いまはシンプルな一面を追求するのではなく美しい多面体としてのプロダクトを作っていくという考えに至っています。
それは「プロダクトを手に取る理由が複数あり、目的ごとに最適化した体験を提供する」ということへのチャレンジであり、設計の難易度は跳ね上がるのですが、個人/ペアでプロダクトを分けることで、なんとかシンプルさを保てています。
今後もB/43は多目的化し、裏側はどんどん複雑化していきますが、シンプルな体験をどこまで提供し続けられるのかに注目してください。
🤸♀️ 当たり前品質の担保
新しい価値を生み出すのと並行して、多くの「B/43を使わない理由」をやっつけていきました。具体的には以下のようなことです。
- クレジットカードで入金ができない
- アプリ内で銀行口座からリアルタイムに振替できない
- 3Dセキュア認証必須のECサイトで支払いできない
- QRコード決済の支払い元に設定できない
その中でもユーザーさんにとって最大のストレスになっていたのが「ICチップに対応しておらず、レジで店員にカードについて説明する必要がある」問題でした。これを解決するために2022年6月にリリースしたのがICチップ搭載の新B/43カードです。
デザインについての工夫や苦労はhaconiwaさんでのインタビューをぜひ読んでいただくとして、このアップデートに関しては予告の段階から大きな反響をいただきました。特に既存のユーザーさんから「待っていました」という声が大量に届いたんですね。「本当に不便をかけていたんだなあ…」という大きな反省と、強い手応えを感じました。
もちろん Apple Pay / Google Pay への対応などの課題はまだ残っているので、当たり前品質を担保する取り組みも引き続きやっていきたいと思っています💪
🔭 これからなにを作るの?
👨👩👧 家族への横展開
私達は「お金を2人以上で管理することで生まれる価値」を信じており、これをより広げていきたいと考えています。パートナー間での共有に続いては、親子間でお金を共有できるプロダクトを準備中です。
育児中のメンバーが多いチームで開発しているので、私たち自身が子どもを育てる親として、キャッシュレス社会における、おこづかいを通したコミュニケーションや、お金の教育ができるプロダクトを発明できることにワクワクしています。
将来、子どもがお金と上手に付き合えるようにサポートしたい、という子育て勢の皆様はぜひチームに加わっていただければ幸いです。
👛 「貯める」「増やす」への縦展開
今回の資金調達発表に合わせて、会社のパーパス・バリュー・ミッションを公開しました。私達のミッションはお金を「使う」「貯める」「増やす」を誰もが当たり前にできる未来をつくるです。いまのB/43は「使う」ことをうまく行うことで「貯める」きっかけを生むところまでをスコープにしていますが、それをより拡張していきたいと思っています。
それはなぜかと言うと、日本の「貯金ゼロ世帯」という社会問題を解決したいからです。昨年の調査で、単身世帯の約1/3が「貯金ゼロ」二人以上の世帯でも約1/4が「貯金ゼロ」です。つまり約3000万人が貯金の手前の「支出管理」のステップで止まっていて、資産形成ができていないことがわかっているわけですね。
お金を「貯める」「増やす」サービスって世の中にたくさんあるのですが、この問題に関しては「使う」から改善してあげないと意味ないと思うのですよね。だって貯金するお金がそもそもないんだから。
予算を立てて生活し、一ヶ月間を黒字で過ごす。そのサイクルを重ねて生活防衛資金を築き、投資の原資をつくる。そしてそれを増やす方法をシームレスに提案していく。この図の左下からスタートしてはじめて、貯金ゼロ世帯を減らすことができると思うんです。
もちろんこれを一気通貫で提供するには様々な法的要件をクリアする必要がありますし、自社ですべて完結したいわけでもないので、先達の金融事業者の皆様と協力していくことも視野に入れて動いていきたいと思っています。
🤝 今後のやっていきに必要なたった一つのこと
大きな風呂敷を広げてしまいましたが、これを実現していくにはいまのチームでは到底無理です。
だってまだ、フルタイムの社員が20名くらいしかいないんですよ…。プロダクトデザインチームに至っては、デザイナー1名/PdM2名/UXリサーチャー1名とここまでこれたのが不思議なレベルで少人数です。
つまりやっていきに必要なたったひとつのこと…それはこれを読んでいるあなたの力です。はい、予想通りですよね、すみません。でも本気でそう思っています。プロダクト、デザインはもちろん、エンジニア、ビジネス、人事、バックオフィス…全方位で採用中です。
ぜひ一緒に、お金を「使う」「貯める」「増やす」を誰もが当たり前にできる未来と、それを実現できる素晴らしい会社を一緒につくりましょう。ご応募お待ちしております。
8月にビジネス・エンジニア・プロダクトデザイン各職種でスマートバンク主催のイベントを開催予定ですので、そちらもぜひチェックしてみてください。
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