ユーザーとの対話によるサービスデザインとカルチャーデザインというテーマでお話させていただきます。

スマートバンクのtakejuneです。宜しくお願い致します。今日はカードのデザインだけでも覚えて帰ってください。

ここで皆さんに質問です。今年に入ってから、ユーザーや見込み顧客と直接話をした、という方はいらっしゃいますか? YESの方は挙手をお願いします。

ある調査によると、日本でこういった取り組みをしている会社はわずか14%程だそうです。

私たちスマートバンクもユーザーとの対話をとても大事にしていて、今年は200人以上のユーザーと話してきました。

なぜかというと、ユーザーとの対話によって、未解決の課題を解くサービスデザインや全員でユーザーと向き合うカルチャーデザインが実現できると信じているからです。今日お話することは、この二つだけです。

ただ、もしかすると、それってビジネスインパクトあるの?と思った人が中にはいらっしゃるかもしれません。

なので先に、その話をしましょう。

私たちスマートバンクはプリペイドカードとアプリで、毎月の生活費を誰でも簡単に管理できる「B/43」というサービスを運営しています。GooglePlayのベスト・オブ2022も受賞しています。

リリースから2年半で、月間取引金額は数十億円に急成長しています。

3ヶ月利用すると、ほぼ100%継続するようになり、決済金額は継続すればするほど上昇するなど、ユーザーの生活に強くフィットしています。

新しいカードのリリース時には2万枚以上の事前予約など、大きな反響がありました。

このようなビジネスインパクトはユーザーとの対話による、未解決の課題を解くサービスデザインによるものです。具体的に何をしているかというと...

まずは「ユーザーとの対話から、未解決の課題をみつける」ことから始まります。あるとき、カップルへのインタビューで、ふたりの共同の支出を管理する手段がなく、立替精算が煩雑という課題を見つけました。

そこで、発見した課題を解決するプロダクトの型としてうみだしたのが「B/43ペアカード」。パートナーと二人で使うことができ、家計を二人で管理できるようになるだけでなく、立替精算が不要になる、新しいプロダクトです。

そして、そのプロダクトらしさを表す、新しい意匠としてつくられたのが、透明なカードデザインでした。ユーザーとの対話で見つけた、家計の不透明さを解消したいという意味が込められています。

まとめると、ユーザーとの対話から未解決の課題をみつけて、プロダクトの型を発明し、新しい意匠をつくるということをやっています。このような取組が、先程のビジネスインパクトにつながりました。

そんなサービスデザインを支えているのが、全員でユーザーと向き合うカルチャーデザインです。

最初にやったことは、企業文化の言語化でした。パーパスやバリューとして、ユーザーとの対話、未解決の課題を解決することを言葉にしています。

また、それを扱う組織の設計をすこし工夫しています。PMやデザイナーとUXリサーチャーやカスタマーサポートを同じ部門にして、ユーザーとの対話から詳細設計までを一気通貫で実現してます。

ユーザーとの対話を広げる仕組みとして、新入社員全員がユーザーインタビューに参加する会を実施しており、ほぼ100%の社員がユーザーと直接対面しています。

まとめると、企業文化を言語化し、組織の設計を工夫し、仕組みをつくることで、ユーザーと対話する文化を組織全体に広げています。

その結果、最近ではユーザーインタビューだけでなく、有志のメンバーがB/43のファンイベントを企画し、ユーザーと対話する場を広げていました

今日お話したことを改めて振り返ると、この二点になります。ユーザーとの対話によって、未解決の課題を解くサービスをデザインすること。そのために、全員でユーザーと向き合うカルチャーをデザインすること。

それはきっとビジネスインパクトを生み出すだけでなくユーザーの生活を変え、社会を少しずつ変えていくことにつながるはずです。

社会を変えていくようなサービス、スタートアップ、デザイナーを増やすことができればと思い、この場に立たせていただきました。ご清聴ありがとうございました。

思っても見なかったことに、グランプリ受賞という身に余る結果を頂くことができました。他のファイナリストの皆さんが本当に素晴らしかったので、まったく予想外の結果でした。グランプリに恥じないよう、B/43を本当に社会を変えるレベルのプロダクトに、スマートバンクをそれを再現性を持って生み出せる会社に育てていきたいと思います。

主催者、運営者の皆様。審査員を務めていただいた方々。一緒に登壇した皆様。プレゼン内容にフィードバックをくれたスマートバンク社のみんな。手厚いサポートをしてくれた妻と子どもたちに感謝します。(今週末は家族サービスや!!)

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